プロジェクトはなぜ遅れるのか。6つの原因を人間心理の面から解説

何らかのプロジェクトに携わった経験がある人ならば誰もが直面する、プロジェクトの遅れ。
現場を見れば様々な課題が転がっていますが、プロジェクトが遅れるということには明確な理由があります。
この記事は、経営者や経営幹部、プロジェクトマネージャーが知っておきたい、プロジェクトが遅れる要因とその対策について解説を行います。

目次

プロジェクトの特徴

プロジェクトには「不確実性」という共通の特徴があります。

具体的には、まったく同じものは存在しない、人の能力に依存する部分が大きい、外部環境による影響が大きいなどの要素のことです。

プロジェクトが遅れる要因の大きな理由として、この「不確実性」が考慮されていないことによって引き起こされているものが多いと言えます。

特に、プロジェクトは「人」が行うものであり、人間心理の理解は間違いなく必須といえます。

プロジェクトが遅れる要因

ここからはプロジェクトが遅れる要因を紹介します。

こういった人間心理があるという認識を持つことが、プロジェクトを予定通りに進める第一歩となります。

サバ読み

皆さんは仕事でサバを読んだことがあるでしょうか?

ここで言っているサバは年齢のことではありません。

「見積もり工数」のサバです。

本当であればもう少し早く終わる可能性があるけれども、確実に終わる期日を言ってしまう、そんな経験はないでしょうか?

統計上、50%の確率で終わる見積もり工数と、90%の確率で終わる見積もり工数は、3倍も異なると言われています。

このサバ読みがプロジェクトの計画をムダに長くしてしまい、結果としてプロジェクトが遅れる要因になります。

このサバ読みですが、決して攻めるべきものではありません。

なぜならこのサバの正体は、「責任感」からくるものだからです。

誰しも言ったことを守りたいのが人間です。

サバを読まない工数に挑戦できる、責められない職場づくりが大切になります。

パーキンソンの法則

人間は予算と時間をある分だけ使ってしまうという法則です。

サバ読みとのかけ合わせで、膨張した見積もり工数分だけ時間を使い切ってしまい、結果としてプロジェクトが遅れます。

学生症候群

俗にいう一夜漬けのことです。
例えば、宿題に2週間の猶予が与えられたときに、すぐに着手する人がどれだけいるでしょうか?

ほとんどの人が後回しにし、気づけば一夜漬けやギリギリという状況に陥ります。
自分がギリギリということは、その次の工程の人もギリギリになっているということです。

過剰管理

プロジェクトを進める際に、過剰なまでのタスク管理や報告・会議はないでしょうか?

管理をするなと言っているわけではありません。
目標達成、すなわちプロジェクトを予定通りに終わらせるために必要な管理をしようということです。

管理が増える分、その管理をするための時間分プロジェクトは遅れます。

早期完了の未報告

自分の作業が終わって、すぐに次の工程にバトンタッチしなかったことはないでしょうか?

例えば、次の工程に渡すための報告書の作成が面倒だったり、早く終えてしまうと次回以降の期日が厳しくなるのではないかと考えたりといったものです。

バトンタッチしなかった時間分だけ、プロジェクトは遅れます。

マルチタスク

複数のタスクを掛け持ちするマルチタスクです。
マルチタスクが与える人間、プロジェクトへの影響は皆さんの予想以上に大きいです。

また、いわゆるエース人材ほどたくさんの仕事を任されるためマルチタスクになりやすいといえます。それにプロジェクトの要となる部分である場合も多くあるため、プロジェクト遅れの大きな要因の一つといえるでしょう。

プロジェクトの遅れへの対策

まずは、プロジェクトの背景にある人間心理を深く理解するということです。

人がもともと備えている心理的要因であるため、これらを責めることは決して解決につながるとは言えません。これらの要因を考慮して、計画・実施をしていく必要があります。

次に、組織やプロジェクトチーム全体でプロジェクトを進めていくということです。
当たり前のことを言っているようですが、これは非常に大切です。

個々の課題への対策は対処療法に過ぎないことが多々あります。
対処療法は課題間のつながりを意識しないで行われることが多いため、一方には有効、一方には悪影響ということが起こります。

全体の目標を達成するためにはどうするのかという視点が非常に大切です。

まとめ

プロジェクトが遅れる要因、人間心理は以下の6つ。

  1. サバ読み
  2. パーキンソンの法則
  3. 学生症候群
  4. 過剰管理
  5. 早期完了の未報告
  6. マルチタスク

これらの人間心理の理解と、個々人ではなくチームとして全体からのアプローチがカギとなる。

参考文献:最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント

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