決算書で経営は良くならない?

経営者や経営幹部、経理担当をされている方で、決算書や試算表から今の会社の現状を知って今後の経営判断に役立てたい、もっと業績を上げていきたい、生産性を向上させたいという思う方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、決算書とどれだけ頑張ってにらめっこをしても、そもそも読み方がよく分からない、そこから何を読み取ることができるのかが分からない、会社の実態が反映されている気がしない、というジレンマを感じた経験はありませんか?

それもそのはずです。
決算書は経営改善には限りなく活用しづらいものだからです。

では、そもそも決算書は何のためにあるのでしょうか。

中小企業での決算書の作成目的は大きく2つあります。

1つは、税金を計算するための元となる、「会社がどれだけ儲けたのか?」を数字で明確にするためです。
日本では累進課税制度が適用されていることから、儲ければ儲けるほど多くの税金を納付する必要があります。つまり税金計算用に決算書を作成しているということです。

もう1つは、外部の人への報告するためです。
皆様の中にも銀行融資などを受ける際に、決算書や試算表の提出を求められた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
それぞれの会社がそれぞれの独自の基準で決算書をまとめてしまうと、銀行側はそれらを比較することができなくなります。
よって、同じルールのもとに同じフォーマットで決算書を作成する必要があるのです。

また、決算書や試算表を経営判断に使用するには、致命的な欠点があります。
それは、「遅い」ということです。
決算書や試算表が完成するタイミングを考えてみましょう。毎月試算表を作成している会社であっても、早く見積もってもその月が終わってから1~2週間後に完成するのが通常です。
遅ければ1か月先なんていう場合もあります。
過去の数週間遅れの数字を見て、精度の高い経営判断ができるでしょうか。

経営者が知りたいのは、今この瞬間の数字ではないでしょうか。

今どれだけ儲かっていて、今この瞬間どんな判断をするかを決めるのが経営判断です。
だから決算書や試算表では遅すぎるのです。

ではそれを解決するにはどうしたらよいか。

1つの答えが戦略日次決算です。

次回、戦略日次決算の概要について解説します。

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